Dental Checkup

歯科検診とは

人間ドックの歯科版と言えるのが歯科検診です。
歯科医院では、人々の歯とお口の健康を守るために、歯科検診や歯科相談を行っています。
歯科医院の主な仕事は虫歯や歯周病の治療と思われがちですが、それらの予防も大切な仕事です。
そのため、歯科医院でも歯科検診は大きな比重を占めていると言っていいでしょう。
歯に関する病気は虫歯や歯周病だけではなく、他には噛み合わせや顎関節症などもあります。
いずれも、初期については全く症状が体感できず、痛みや腫れが出るときはすでに末期になっている場合が多くなります。

早期発見と日々のケアが歯の健康の鍵に

歯に関する病気は、早期発見、さらにはかかる前の日々のケアが欠かせません。
気がついたときには抜歯しか方法がないということになれば、後悔も生まれることでしょう。
これからの時代は、早期発見と早期予防に移りつつあるといっていいでしょう。
推奨されるのは、もちろん早期予防です。
歯科検診はまさにそのためにあるといっても過言ではありません。

歯科検診を受診する頻度

病院で行う健康診断や人間ドックは年に一度程度行うのが目安となっています。
それでは、歯科検診も年に1度でいいのかというとそうではなく、進行度合いを考えても3ヵ月~6ヵ月に一度が目安としています。
もちろん、年齢や来院歴などによって個人差がありますが、おおよその目安と考えるといいでしょう。

定期的な歯科検診が
大切な理由

歯科先進国でもある欧米では、歯科医院は“虫歯の予防”のために存在しているという意識が強いのが特徴です。
その効果もあって、80歳時点の自歯保有数が平均値で日本とは比較できないくらい多くなっています。
スウェーデンでは歯科検診の受診率が90%となっているくらい、歯科検診の先進国といっていいでしょう。
80歳での自歯保有数が25本だといわれています。
歯を失ってしまうと、インプラントや入れ歯などで大きな治療費の負担が発生します。
歯が抜けた状態では、人前で気楽の笑うこともできなくなるでしょう。
ストレスの無い生活を送るためにも定期的な歯科検診を行う習慣を身につけたいものです。

歯科検診で行うこと

口腔内診察

歯科検診では、まず最初に患者さんの口腔内を診察します。
それによって、虫歯や歯周病の有無、さらには歯周ポケットの深さなどの検査を行います。
虫歯がなくても、歯垢や歯石が付着していないか、噛み合わせに問題がないかなど、さらには虫歯の被せ物や詰め物に問題がないかなども入念にチェックします。

レントゲン撮影による精密検査

さらに目見だけでは判断できない歯ぐきや骨量、虫歯の有無などをレントゲン撮影によって精密に検査を行います。
さらに、将来的に抜け落ちる可能性のある歯などもこのときに合わせて検査します。

歯のお掃除(スケーリング)

通常のブラッシング(歯磨き)では落としきれないプラークや歯石を歯科検診の際に隅々まで除去します。
これによって、虫歯予防はもちろん口臭予防にもつながります。
このとき、歯科衛生士によるブラッシングのアドバイスも合わせて行っています。

虫歯の調査・処置

歯科検診の際は虫歯の有無を調べますが、軽度な虫歯であればその際に簡単な治療を行います。
これは、進行の速い虫歯は早期治療が欠かせないためでもあります。
そのほうが、患者さんの負担が軽いという側面もあります。
検査内容
虫歯の検査
虫歯の有無を診査します。
唾液量の測定
唾液量が適正化どうかをチェック。これによって口の渇きやすさや虫歯・歯周病にかかるリスクを調べます。
虫歯原因菌の検査
虫歯の原因菌がどのくらいあるかをチェックします。
唾液の緩衝能の検査
唾液の持つ酸性を中性に戻そうとする力を調べます。
歯垢の付着量の診査
ブラッシングによる磨き残しをチェックします。

歯周病についての調査

検査内容
歯周病菌の検査
歯周病の原因となる菌がどれくらいいるのかをチェックします。
唾液の血液潜血検査
歯周病で見られる出血反応のチェックを行います。
歯周ポケット検査
歯周ポケットの深さを測定し、歯周病の進行具合をチェックします。
歯の動揺度
歯と歯の接触状態、噛み合わせ度をチェックします。
歯周ポケット検査時の出血
歯ぐきの炎症度合いのチェックを行います。

歯のクリーニング

PMTC(プロフェッショナルメカニカルトゥースクリーニング)と呼んでいる歯のクリーニングを行います。
このとき、プラークや歯石の除去を行い、歯面をなめらかに仕上げ、汚れの再付着を防ぎます。